表参道 歴史にゃんぽ
2014.09.26

東京のオアシス 明治神宮 キホンの基本(1)

こんにちは。私の名前は“にゃおこ”と申します。自由きままに表参道の歴史にゃんぽ…いえ、“歴史散歩”を楽しんでいる、歴史好きの猫です。

猫の世界も“歴女”ブームなのかって?
いえいえ、猫は居心地の良いところを見つける天才なんです。日当たりの良い瓦屋根とか縁側、土の良い香りのする緑いっぱいの公園、きれいな水が湧き出ている池や川、そんな気持ちの良い場所を探していたら、実は歴史ある名所や旧跡だったってことがよくあるんです。そしたら、だんだんと歴史が好きになっちゃったんです。

明治神宮
表参道のケヤキ
明治神宮
ケヤキ並木


表参道はホントにケヤキ並木が美しいにゃー。それに素敵なビルがいっぱい並んでいて、いつもおしゃれな人がいっぱい歩いていて、本当に素敵な街なんだにゃー。

それもそのはず、『表参道』の町の名前の由来になっている“表参道”っていうのは、神様と出会うための道、っていう意味なんです。実は表参道は、明治神宮にお参りするための“表”の参道だったんです。

明治神宮内苑
手前から伸びる表参道と、その奥に広がる明治神宮内苑(写真提供:明治神宮)

明治神宮 の内苑と外苑

明治神宮には、明治神宮の周りを囲む『内苑』と、広い広い『外苑』があります。
内苑は広さ70万平方メートルもあるとても大きな森ですが、外苑は秩父宮ラグビー場明治神宮野球場国立競技場明治記念館などがある、あの辺り一帯全部が明治神宮外苑なんです。駅でいうと原宿、表参道、外苑前、青山一丁目、国立競技場、千駄ヶ谷、信濃町の辺り一帯です。

明治神宮
銀杏並木の奥に見える聖徳記念絵画館
明治神宮
明治神宮外苑の銀杏並木


明治神宮外苑
空からみた明治神宮外苑(手前)と内苑(左奥)、右は新宿御苑(写真提供:明治神宮)

広い!広すぎるにゃん!なんでこんなに広いんだにゃん!明治神宮の歴史をもっと知りたくなってきたにゃん!

明治神宮はいつできたの?

明治神宮が創られたのは、今から100年くらい前のことでした。
明治45年(1911年)7月30日に明治天皇、大正3年(1914年)に昭憲皇太后(明治天皇の皇后)がお亡くなりになると、人々の間から「お二方のご神霊をお祀りし、ご遺徳を追慕する明治神宮をご創建したい」という声があがりました。その先頭に立ったのは、明治の経済界をひっぱってきた渋沢栄一でした。

日本は明治天皇のお蔭で、東洋の小国から、たった45年の間で世界五大国のひとつにまで発展しました。渋沢栄一は社会的に地位のあるものの責任として、自ら率先して“明治神宮創建”という公共事業に身を捧げました。そして“世界に通用する徳高き紳士になろう”という想いを込め、日本人ビジネスマンの商業道徳の向上を願いました。
 明治神宮創建の候補地には、実は富士山や箱根、筑波山の名前も挙がりました。でもやっぱり大勢の人がお参りに行きやすく、便利なところがいいということになり、東京が選ばれたのです。そして皇室の御料地のあった、この代々木の地に決まったのです。

大名屋敷にあった井戸

江戸時代まで、この地には大名の下屋敷が在りました。最初は肥後熊本藩・加藤家のお屋敷がありました。今も「加藤清正が掘った」と伝えられている清正の井が残っていて、ホントにきれいな水がこんこんと湧き出ています。その後、ゆるキャラ・ひこにゃんで有名になった彦根藩・井伊家のお屋敷になりました。

明治神宮
これが清正の井
明治神宮
とーってもきれいな水なんだにゃん!


大名屋敷から天皇家の御料地に

明治になって大名がいなくなると、下屋敷は皇室の御料地になり、『代々木御苑』と呼ばれる美しい庭園になりました。明治天皇とその奥様の昭憲皇太后も度々おいでになり、花菖蒲を愛でられたりと、大変親しまれたそうです。

「うつせみの 代々木の里は しづかにて 都のほかの ここちこそすれ」
                      ――明治天皇がお詠みになった歌

このような由来もあり、明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后が愛された、この代々木の地に建てられることになったのです。

明治神宮
明治天皇が昭憲皇太后のために建てられた隔雲亭
明治神宮
両陛下が花菖蒲を愛でられた菖蒲畑


※この皇室の御料地だった『代々木御苑』は、現在は『御苑』と呼ばれる庭園になり、入苑には維持協力金500円を納めます。

明治神宮御苑
開苑時間:3月~10月/9時~16時30分
     11月~2月/9時~16時
     6月中/8時~17時(土日18時)
拝観料(御苑維持協力金):500円

明治神宮創建前の社殿付近
明治神宮創建前の社殿付近(写真提供:明治神宮)

しかし、今の表参道の美しい街の様子からは想像が出来ませんが、当時はこの『代々木御苑』を一歩出ると、辺り一帯は荒れ果てた不毛の原野だったそうです。それに東京は当時からゴミゴミしていたので、「こんな大都会の真ん中では、明治天皇も昭憲皇太后も安らかにご鎮座できないのではないか?という声が挙がりました。

それもそうだにゃん。

そこで明治神宮のまわりを大きな美しい森で取り囲み、富士山や筑波山にも負けないくらい神聖な『神宮内苑』にしよう、そしてその外側に、心身の鍛錬と人々の憩いの場になる『神宮外苑』を造成し、長く後世に伝えよう、ということになったのです。
やがて全国各地から10万本もの木が献木され、延べ11万人もの青年達が、明治神宮創建の勤労奉仕に参加しました。そして大正9年(1920年)、明治神宮が創建され、大正15年(1926年)、明治神宮外苑が完成したのです。

明治神宮 原宿口<南口>前
明治神宮 原宿口<南口>前

次回は、明治神宮創建秘話と、広い広い内苑と外苑の見どころをご紹介するんだにゃん! どうぞお楽しみに!

つづく

文:重久 直子

【参考資料】
『明治神宮 伝統を創った大プロジェクト』今泉宜子
『明治神宮の森の秘密』明治神宮社務所編

明治神宮
開園時間:日の出 〜 日の入
住所:渋谷区代々木神園町1-1
アクセス:

原宿口<南口>

東京メトロ「明治神宮前<原宿>」駅 2番出口より徒歩1分、JR「原宿」駅 表参道口より徒歩1分

代々木口<北口>

JR「代々木」駅、都営地下鉄大江戸線「代々木」駅 徒歩10分、東京メトロ「北参道」駅 徒歩10分

参宮橋口<西口>
小田急線「参宮橋」駅 徒歩5分

TEL:03-3379-5511(代表)
HP:https://www.meijijingu.or.jp/



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