原宿・表参道で唯一のお米屋さん 小池精米店
お米のことを知り尽くしているからこそ、できること!!

2014.07.04

小池精米店 三代目店主お米マイスター五ッ星小池 理雄

小池精米店 三代目店主お米マイスター五ッ星小池 理雄

皆さんは、原宿に「お米屋さん」があることをご存知ですか?

いま東京の街中では、個人経営の八百屋さんやお肉屋さんなどを見かけることが少なくなりました。スーパーやネットショッピングなど、あらゆる商品を一度に買える店舗が増えていく中で、昔ながらの商店はだんだんと減ってきています。ですが、そんな状況にあってもお米ひとすじに、しかも「若者の街」原宿のど真ん中で経営しているお米屋さんがありました。それが小池精米店です。

三代目のルーツ三代目のルーツ

ビルを設計したのが建築士である叔父。叔父の発案で、このビルの外観は「お米」について発信できるようにと、水田の四季をイメージした、グラデーションのかかった色合いになっている。

――キャットストリートにお米屋さんがあるなんて、思ってもみませんでした。
小池さん:そうですね、「原宿でお米屋さんなんて珍しいですね」とよく言われます。実は、神宮前にある米屋はもう弊社だけなんです。昔は、原宿にも数十店舗の米屋があったんですが。
――数十店舗! そんなにたくさんの米屋が原宿にあったなんて、すごいですね。
小池さん:渋谷区神宮前付近は、かつて「穏田(おんでん)」という地名だったんです。渋谷川という川が流れていて、そこに水車を設置していました。周囲は田んぼの広がる田園地帯だったんですね。江戸時代の画家、葛飾北斎が残した「隠田の水車」という絵にも描かれているくらいで、とても風光明媚なところだったんですよ。明治時代初期までは、このあたり一帯で水車を利用した精米や製粉業が盛んだったということですから、土地柄も関係しているかもしれません。
――なるほど。小池さんは、「小池精米店」の三代目とのことですが……。
小池さん:はい。創業は1930年で、初代は私の祖父、小池虎雄です。祖父は長野県の出身なのですが、縁あってこの原宿で創業しまして。それ以来、原宿・表参道の発展とともに歩んできました。ですので私自身は、生まれも育ちもここ原宿です。

店主の小池さんはとってもフレンドリー

――小池さんご自身は、最初から「お米屋さん」としてスタートされたんですか?
小池さん:いえ、大学を卒業してしばらくは出版社やコンサルティングの会社で働いていました。店を継いだのは2006年です。
――会社勤めから米屋への「転職」に、とまどいなどはありませんでしたか?
小池さん:小さい頃から手伝いなどをしていて、気がつけば配達までこなせるくらいにはなっていましたから(笑)。ただ、これまでの社会経験を活かして現代における米屋の在り方を考えていきたいとは常に思っています。

「小池精米店」のここがすごい!「小池精米店」のここがすごい!

お米の特徴を知り尽くす「お米マイスター」

――小池さんは、「お米マイスター五ツ星」の資格をお持ちなんですよね。
小池さん:はい、全国で380人ほど、渋谷・原宿地域では弊社が唯一の資格保持者を有する米屋です。日本米穀小売商業組合連合会が認定している資格で、定義は「お米に関する幅広い知識を持ち、米の特性(品種特性、精米特性、ブレンド特性、炊飯特性)を見極めることができ、その米の特長を最大限活かした「商品づくり」を行い、その米の良さを消費者との対話を通じて伝えることができる者」です。
――なんだかすごいですね! 「こんなお米が食べたい」と言えば、おすすめを教えてもらえる……ということでしょうか?
小池さん:もちろん、可能です。さらに当店では、オリジナルブレンド米「マイ米」という、お客様のお好みに応じた割合で品種の違うお米をブレンドするサービスを行っていますよ。
――「マイ米」! お米を自由に配合できるサービスは、はじめて聞きました。
小池さん:コシヒカリ、あきたこまち、ササニシキ、ミルキークイーンから選んでいただくという形なのですが、「モチモチした食感を楽しみたい」「さっぱりした味で、少し歯ごたえが欲しい」などの希望を言っていただければ、配合をおすすめすることもできます。

 


――お米のことを知り尽くしているからこそ、できることですね。
小池さん:米屋ですから、お米について詳しいのは当然といえば当然ですよね。そこから一歩進んで、私自身が惚れ込んで仕入れたお米を「楽しくおいしく味わっていただきたい」という思いがあります。ですから、おいしい炊き方やそのお米に合うおかずや調理方法などはもちろん、お米についてのバックボーン……どんな栽培方法であるかとか、生産者の方々の思いなどもご提供できるようにしています。

「小池精米店」の在り方とは「小池精米店」の在り方とは

――80年以上の歴史があるお店ですが、改めて小池さんが考える「小池精米店」の"在り方"とは、どういったものでしょうか。
小池さん:先ほども少し触れましたが、ここ原宿界隈は、もともと稲作が盛んな土地でした。そういった歴史を持つ土地で、たったひとつ残った米屋である弊社の、その存在意義……というのでしょうか。私は「稲作文化」そのものを、日本社会を構築する「礎(いしずえ)」のひとつだと思っています。
――食文化や、神事など、確かに稲作とは切っても切り離せないものが日本の文化の中にはたくさんありますね。
ぜひ店舗に足を運んでみてください
小池さん:したがって私は、お米の販売を通じて「稲作文化」を守るための活動をしていきたい、と考えています。食生活やライフスタイルの変化によって、日本国民全体の米消費量が減ってきていることや、生産者の高齢化が進み、耕作放棄地が増えていることなど、稲作そのものがいま存続の危機にある。その中で、米を販売するものとして、「稲作文化」を守りたい。そのためにも、「消費者と生産者のかけ橋」ひいては「地方と都会のかけ橋」になりたいと。
――「原宿・表参道という土地にたったひとつの米屋であることの意義」というお話に通じますね。
小池さん:「原宿・表参道」という街には、強い情報発信力や、新しいモノ・コトを生み出す力があります。「そんな原宿にある唯一の米屋」というだけで、強いインパクトがあるわけですから、それを活用しない手はありません。地方の生産者の方々の思いが詰まったお米を単なる「モノ」として扱わず、「メッセージのある商品」としてお客様にお届けすることで、その思いごと、……どのような土地で、どのような環境で、どのように育てられた米なのか、そういったバックボーンも含めて、より鮮明に受け取っていただけるのではないかと。
――若いお客様にも、関心を持っていただけそうですよね。
小池さん:実際に、美容院の方々やカフェなどの飲食店を営む若い世代の方々ともお付き合いをさせていただいています。そうして都会に暮らす人々が、自分が住む土地以外の地方にも関心を持ち、結びつきを持つようなきっかけとなれば……「お米」を通して、そういった地方と都会を繋ぐ一助になれればというのが、私の願いです。
――ありがとうございました。
 

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