東京のオアシス 明治神宮 キホンの基本(2)~内苑編~
明治神宮は内苑も外苑も広くて、見どころいっぱいなんだにゃん。とても1回ではご紹介しきれないので、今回は明治神宮の内苑をご紹介します。
内苑の明治神宮八景は、『社殿』『神橋』『宝物殿』『手水舎』『代々木』、それから代々木御苑の中にある『隔雲亭』『花菖蒲』『清正井』と言われています。
その他にも広い芝生の広場や、近くにはポニーに乗れる公園もあって、子供も大人も楽しめるにゃん。
前回の記事はこちらにゃん!
東京のオアシス 明治神宮 キホンの基本(1)
明治天皇と昭憲皇太后の御歌
明治神宮には三方向から参拝できる道があります。
「表参道」は渋谷・青山界隈から、
「北参道」は明治神宮外苑・千駄ヶ谷・代々木から、
「西参道」は新宿副都心・甲州街道沿いから、
それぞれ参拝することができます。
「表参道」からの参拝コースをご紹介しますと、山手線の原宿駅や東京メトロ明治神宮前<原宿>駅を右手に見ながら、山手線にかかる神宮橋を渡ると、明治神宮の表玄関「南参道広場」に着きます。
ここに立つと、左手に明治天皇と昭憲皇太后がお詠みになった「御製・御歌」(和歌)が掲げられた看板があります。季節によって変わるこの和歌を、楽しみにしている人も多いんだにゃん。
(宝石も磨かなければ光を放ちません。
それと同様に、人の心も研鑽を積まなければ、すぐれた徳を持つことはできません。)
―― 昭憲皇太后 御歌
鳥居をくぐると、マイナスイオンたっぷり!
そして右手を見ると、明治神宮の雄大な樹木と「第一鳥居」が見えます。
鳥居をくぐる時は、一礼して、参道の真ん中は歩かないようにするのが礼儀なんだそうです。神様にお辞儀をして、神様がお通りになる道の真ん中は遠慮する、ということなんだそうですよ。
鳥居をくぐり、明治神宮の深い森の中に一歩入ると、ケヤキ、イチイガシ、シイ、クス、タカモミジなどの木々が覆いかぶさり、まるで山の中に来たようです。暑い夏でも木々からのマイナスイオンで、ちょっと涼しく感じられるんだにゃん。
この70ヘクタールある明治神宮の森の木々は、今から94年前、日本全国から寄せられた10万本の献木によって造成されました。その造成工事をしたのは、日本全国から集まった勤労奉仕の延べ11万人の青年達でした。そして明治神宮外苑も、日本全国から寄せられた浄財(寄付)によって造成されました。
つまり「明治神宮の杜」は、全国民の真心によって創建された「永遠の杜」、“神域”なんだにゃん。
玉砂利の参道を少し歩くと「神橋」があります。
真ん中が少し盛り上がった石の橋からは、深山幽谷の風情をたたえた小さな渓谷が見下ろせ、みんなここでちょっとひと休みしています。
「代々木」の地名になった、モミの木の大木があったにゃん
そのちょっと先には「代々木」の地名の元になったモミの木の跡継の木があります。
江戸時代の昔から、ここには代々、大きなモミの木があったそうです。特に幕末には幹の太さ10.8m、枝張り54mの大木があり、登れば江戸一円を見渡すことができたそうです。江戸城の中もよく見えたので、一般の人は昇るのを禁止されましたが、江戸湾に黒船が来た時には、このモミの木に幕府の見張り役が登り、遠眼鏡で黒船を監視したそうなんだにゃん。
大正時代に明治神宮をご造営する時、このモミの木は枯れていましたが、その立ち枯れた木も、昭和20年(1945年)の空襲で焼け落ちてしまいました。現在はその跡を継いだモミの木が立っているんですが、将来、また「代々木」の名にふさわしい大きな木に育って欲しいですね!
日本一の木造の大鳥居
参道を左手に折れると、高さ12mある日本一の木造の明神鳥居、「第二鳥居」があります。この鳥居をくぐると道幅18mの大参道に出ます。この大参道をさらに進むと、本殿に向かう「枡形」と呼ばれる右折する道があります。この道、直角に折れているように見えますが、実は八十八度なんです。これは「八」は末広がりで縁起が良い、ということなんだそうです。知っているとちょっと自慢できそうな雑学なんだにゃん。
本殿
第三鳥居をくぐると、いよいよ明治天皇と昭憲皇太后をご祭神としてお祀りしている本殿です。
本殿は、実は昭和20年の空襲で一度焼失してしまいました。
昭和20年(1945年)4月13日から14日にかけての深夜、170機のB29が東京に来襲、明治神宮境内には1330発もの焼夷弾が投下されたそうです。宮司をはじめとする神職の方々、守衛、林苑の技師などの職員、消防、軍隊、警防団、総勢千人ほどの方々が消火にあたり、ご神体『御霊代(みたましろ)』を守り抜きました。
そして創建の時と変わらない精神と情熱で、昭和33年、国民の浄財(寄付)によって、ご本殿は見事復興、再建されました。
本殿の前には大きな楠が3本立っています。様々な願いを託した絵馬に囲まれた楠と、そしてその向かいは、大きな注連縄で結ばれた夫婦の楠があります。
これらの楠は、その時の空襲でも生き残った楠なんだそうです。この三本の楠、今も昔もこれからも、本殿を守るようにして立っていて欲しいんだにゃん。どうぞよろしくお願いいたします!
※次回は、『明治神宮の魅力に迫るんだにゃん!(外苑編)』の予定だにゃん!
文:重久 直子